一緒に来て、マーサ
先に我に返ったのはカレンです。
「私は出直すわ。一緒に来て、マーサ」
婚約者とあっさり別れたカレンは、マーサとは一緒に生きることを
選んでいます。放っておけないから? それもあるでしょうが
カレンは自分たちが社会に場を持って、生きのびるには
友情というカモフラージュがいちばん適していると考えていた。
マーサが自分を愛しているように、自分もマーサを愛している。
でもそれを認めてしまうと、順調にいくはずのコースが狂ってしまう。
カレンは末長くふたりが一緒におれる方法を考えたと思うのです。
結婚もその手法のひとつ。だから「結婚にも別の意味がある」と言って
いるじゃないですか。