夫婦か、いいな
レイチェルは食事の後、タクシーを止め、ヘックを夜の公園に誘う。
妻の強引さにヘックは戸惑う。
「それも悪くないけど、どうしたんだい?」
「いいじゃない、たまには」
レイチェルは心が離れそうな自分を夫に縛り付けたい。
公園の大きな木の陰に人がいた。暗闇から姿を現わしたのは青年ふたり。
「僕たち初対面」ひとりが微笑んでいう。
初対面で意気投合し、ここへ来たのですね。
「僕も、こんな妻とは初対面」とヘック。
「夫婦か、いいな」まだ同性婚が認められていなかった時代、
「夫婦か、いいな」に素朴な憧れがにじんでいます。