あなたは白人でストレートの男
ゲイだということをなぜ言わなかったと、相棒のデーンはローレルに怒ります。
「俺たちは互いの命綱だ。俺は隠し子のことでも君には打ち明けた」
「ばれたら現場から外され事務職に回される。
あなたはストレートで白人の男。私とはスタートラインがちがう」
「君は虐げられたマイノリティか」
「そうよ」
男社会の中で、楽々と、自然に呼吸できるデーンと、酸欠を防ぎながら
生きているローレルが「スタートラインがちがう」というの、
無理ないでしょうね。
デーンはローレルが好きで、「虐げられたマイノリティ」擁護の旗印を懸命に
掲げるのですが、周囲からいっぺんに冷たい目で見られます。
当事者たちの困難な状況もよく描かれていますが、彼女らに味方するほうも
差別される、そんな二重の差別の中で、黙っていなかった男たちが
とても勇敢に描かれています。