クラリス・タガード

クラリス・タガード

 

エンタテイメント界の貢献者の名を埋め込んだハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム。

星のひとつ、クラリス・タガードにアガサはひざまずき、撫で、キスする。

敬けんな面持ちです。

ジェロームがそばで見ている。

クラリスはアガサの雇用主であるハバナの母親です。

アガサがハバナとクラリスの関係で知っていることといえば「焼死」です。

火事で死んだクラリス。火事は、顔と体に残る傷痕と同じく、一生消えない

忌まわしいものが、アガサに取り憑いています。

ここでアガサの暗唱する詩が彼女の潜在意識を象徴しています。

「学校のノートに/自分の机や木々の上に/

砂の上や雲の上に君の名を書く/

肯定する肉体全てに/わが友すべての額に/差し出された手全てに/

君の名を書く/自由と」

詩はポール・エリュアールの「自由」。

アガサと弟のベンジーは、劇中何度か、呪文のようにこの詩を暗唱します。

意味云々より、詩が掻き立てる虚無のイマジネーションが姉弟を虜にしている。

 

(「マップ・トゥ・ザ・スターズ」)

 

 

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