あら、私がいるわ

あら、私がいるわ

 

「アナベル、音楽は好き?」バーバラが話しかける。

「好きよ」「お友達とどうぞ」

バーバラは音楽会のチケットを差し出す。

「友だちはいないの」

「あら、私がいるわ」うう〜む、そうくるか。

バーバラのエキセントリックな性格では接近禁止命令、再び、かも。

バーバラは、ラブロマンスからかけ離れたゲイ映画のヒロインとして、

特異な存在です。

恋人の婚約者に葬式の花輪を送るなんて、常識で説明がつかないでしょう。

いかれているとしかいえないでしょう。

ひょっとして「善悪の彼岸」って、バーバラみたいな人のことじゃないって、

ニーチェに聞いてみたい気がする。

明日から新シリーズです。

 

(「あるスキャンダルの覚え書き」)

 

 

bn_charm