シーバに孤独の何がわかる

シーバに孤独の何がわかる

 

「キリストを裏切ったユダは後悔して首を吊った、そう記したのは

使徒の中で最も感傷的なマタイだけ」とバーバラはうそぶく。

つまり、彼女にとっては裏切りなど屁でもないってことね。

でもこのあと続く彼女の呪詛は、バーバラの孤独の深さを

絶望的なまでに示します。

「シーバみたいな人間に孤独の何がわかる。一滴、また一滴と

したたり落ちるような、気が遠くなるような無限の孤独など。

コインランドリーに行く以外なにも予定のない週末。だれにも

さわられたことのない体。バスの運転手と手が触れただけでも、

下腹部が熱く疼く」

シーバは、確かに落ち度はあったものの、相手が悪かったわ。

ホモサピエンス最強よ。

 

(「あるスキャンダルの覚え書き」)

 

 

bn_charm