わたしは強い愛人を夢見る
相変わらず身勝手なベイコンの独白です。
「どんな不幸が彼の目を絶望で満たすのか。わたしは強い愛人を
夢見る。宇宙のように無限の男を」
彼の目を、というのはジョージの目です。
ジョージがベイコンの愛を乞うからうざったくなっている。
で、強い男がいいわけね。
ベイコンって、天の邪鬼なだけの男ね。
相手にしなければ寄ってきて、やさしくすればつけあがるのよ。
彼の独善的な御託はこう続きます。
「暗い影を所々に帯びた体が裸のわたしを押しつぶす。
黄金の股に挟まれて今や大天使に変身した与太者。
この愛人がわたしの暗殺者となるのか、その逆か」
どっちでもどうぞ。