洞察と痛ましい美の結晶

 

パリ、グラン・パレでフランシス・ベイコンの展覧会が開かれた。   

ターナー以来初のイギリス人画家、現代美術の旗手、

フランシス・ベイコンの仕事の集大成と大々的に報道された。

ベイコンの描く人物は洞察と痛ましい美の結晶だとテレビの

アナウンサーが紹介しています。

この映画の主人公はもちろんベイコンですが、ダニエル・クレイグが   

ベイコンの愛人ジョージを演じて傑出しています。

ジェームス・ボンドでブレイクする前です。

本作のダニクレをみていると、成功っていきなりやってこない、

必ず充分な仕込みの時期ってあるんだな、と思います。

20世紀最大の画家の栄光の陰で、死を選んだゲイの無名の男を

快演しました。彼こそが「痛ましい美の結晶」でした。

 

(「愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」)

 

 

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