今夜6時半リッツで、キャロル

今夜6時半リッツで、キャロル
Ritz Tower Hotel 6:30 Carol
 

キャロルの手紙を受け取ったとき、テレーズはどう思ったでしょうね。

(ついに、きた)だったと思うのです。

怒りまくっていたけど、これきりにはならないことを

テレーズは確信していました。キャロルから必ず何か言ってくる。

本気で別れるなら、手紙など弁々と書くキャロルではない。 

テレーズは興奮もし、嘆きもしていましたが、キャロルの本質を

見誤ることはしない。深い愛情だけができる洞察だと思います。

原作では、キャロルが何か言ってきたとき、キャロルと会って、

投げつける言葉までテレーズは練っています。

キャロルの仕打ちで受けた、ショックと恨めしさを思い出すと

胸の中は青い炎メラメラ。

(ふん、こんなもの)という調子で、

手紙をポイッとゴミ箱に投げ捨てます。

 

(「誘惑者キャロル」)

 

 

bn_charm