わかってないわ、昔も今も
I don’t. I never did.
しばらく車で旅に出るというキャロルに、
一人で運転するのは、あなた、嫌いなのだから、
テレーズを連れて行くことをアビーは勧め
「キャロル、自分がわかっている?」と訊く。
「わかってないわ、昔も今も」キャロルは片頬で笑う。
アビーと深い仲になった昔も、テレーズとそうなろうとする今も
自分をわかろうとしたことなんかない、
自分を詮索したことも疑ったこともない、
昔も今も女性が好きで、変わっていない、
キャロルは自分のセクシャリティを屈託なく、認めています。
1950年代という時代を考えると、
稀に見る自由な女性だったと思います。