わたしを招待して

わたしを招待して

Invite me round.

 

トレイン・セットをギフト用の包装紙で包みながら、

キャロルがピアノを弾くテレーズを見ている。

つと立って歩み寄り、テレーズの肩に両手を置く。

キャロルはテレーズのそばに来て、触りたくて仕方ない。

ギクッとしてテレーズが弾く手を止める。

(うむ、時期尚早か…)キャロル、す〜と離れる。

「あなたの作品を見せて」とか

「才能なんか気にせず努力すればいいの」とか、

ごくフツーのことを言いながら、ズバリ「わたしを招待して」

単刀直入ですね。で、招待されるのを待った? 

キャロルはそんな気の長い女性とは違います。

 

(「誘惑者キャロル」)

 

 

bn_charm