それほど愛されて羨ましいです
抑制の効いたシドニーの声に王妃は気づかない。無頓着に続ける。
「今こそそばにいてほしいのに、ガブリエルはなぜこないの?
わたしはフランス王妃よ。でも認めざるをえない、わたしが恋の虜だと。
ガブリエルは何が不愉快なのかしら。わたしが何をしたというの?」
ポリニャック夫人にしたら、王妃さえ手中にしておけば
権力は思いのままだった、ところが革命ですべては水の泡、
負け馬に乗ってしまったと腹を立てているわけね。
夫人の説得に自分を行かしてくれとシドニーが頼む。
クソ女に何を説得するつもりよ。