それほど愛されて羨ましいです

それほど愛されて羨ましいです

抑制の効いたシドニーの声に王妃は気づかない。無頓着に続ける。

「今こそそばにいてほしいのに、ガブリエルはなぜこないの?

わたしはフランス王妃よ。でも認めざるをえない、わたしが恋の虜だと。

ガブリエルは何が不愉快なのかしら。わたしが何をしたというの?」

ポリニャック夫人にしたら、王妃さえ手中にしておけば

権力は思いのままだった、ところが革命ですべては水の泡、

負け馬に乗ってしまったと腹を立てているわけね。

夫人の説得に自分を行かしてくれとシドニーが頼む。

クソ女に何を説得するつもりよ。

 

(「マリー・アントワネットに別れをつげて」)

 

 

bn_charm