こうしているのが私の幸せなの

こうしているのが私の幸せなの

エマはいいます。

「あなたが明るく満たされて、料理や家事をするのもいいけど、幸せになってほしいの」

「こうしているのが私の幸せなの」とアデル。

「なら、いいけど」

アデルはエマの気のない口調を敏感に感じ取る。

「そんなに責めないで」

「責めてない」

「リーズは昔の恋人?」

「ちがうわ。彼女も画家よ」

画家や芸術家でないと、エマの「幸せ」の範疇に入らないのか。

アデルは価値観の違いにきしみを、エマは物足りなさを感じています。

 

(「アデル、ブルーは熱い色」)

 

 

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