気がすまないの

気がすまないの

強姦教唆で訴えるというキャサリンの言い分に、検察の上司はあっけにとられる。
「事件は解決したじゃないか。教唆だって? 野次を飛ばして手を叩いたら懲役になるのか? 見物したのは犯罪じゃない」

キャサリンはそれが男の意見だと捉えます。
「そそのかすのは犯罪です。彼らはレイプをそそのかしたのよ。歓声をあげ囃し立て、女を犯させたのよ」
「だから犯人は懲役になったじゃないか」
「暴行障害でね。気がすまないの。サラの気持ちはどうでもいいの?」
「負けるに決まっている。君はクビだ!」
「わたしをクビにしたら、検察内部の裏取引を暴いてやるわ!」

模範的なエリートだったキャサリンが、ちょっとちがう意味で強くなったと思いません?

 

 

(「告発の行方」)