そして日々の暮らしに束縛されていく

そして日々の暮らしに束縛されていく

燃えるような恋はどこへいった、激しい燃焼は燃え尽きたのか。

一糸まどわぬ姿で大通りを、恋人を追いかけて走った夜。

狂っていたが厭わなかった。お互いへの愛を確認するためなら何だってしただろう。だが今はどうだ。かつての炎は、日常の繰り返しと日々の暮らしに束縛され、過去のものになってしまうのだ。

日常とはすべてを、輝くものすべてを失わせる感性の鈍磨だ。

グザヴィエがめずらしく、彼本来の繊細さでいうのがこのシーンのセリフ。

 

(「ロシアン・ドールズ」)