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自分を偽って生きたのでは、わたしの存在価値がない

弁護士を交えた親権の審問で、キャロルは女性の恋人の存在を認め、

親権は父親に委任し、面会権だけは認めてもらう、

娘をだれにも渡さず、二人で閉じこもって暮らすことも考えたが、

自分を偽って生きたのでは、わたしの存在価値がない、

面会権を認めないなら裁判に訴える、

そうなればスキャンダルは免れないでしょうね、と

世間体にこだわる夫に釘をさします。

しかしキャロルは本当にテレーズと暮らしたいためだけで、

この幕引きに至ったのでしょうか。

それだけではないと思えるのです…それはまたあした。

(「キャロル」)