キャロル20160506

 

「あなたは努力し続ければいい」

「写真の勉強をしているの?」
とキャロルに訊かれ、
「ええ、でも才能があるかどうか」
不安がるテレーズにキャロルがいうセリフ。
ここね、ラストシーンのキャロルにリンクする
大事な伏線だと思うのです。
キャロルの離婚の原因は、自身の女性関係でも夫の浮気でもない、
自分が自分の力を出し切れないジレンマに苦しんでいたことです。
何かしたいのだけど、出口がわからない、
わかっているのはこのままの状態では窒息してしまうこと、
自分に何の価値も見出せないことでした。
才能があるかどうかなど
「それは他の人が教えてくれるわ。あなたは努力し続ければいい。
自分が正しいと思うことを、流れに身を任せて」
むしろキャロルが自分自身にいっているみたいですね。

(「キャロル」)