アルバート氏の人生20160222

 

「アル、あの娘を相手にするのはやめな。あんたには不向きだよ。
あの娘はカスみたいな男に夢中なんだ」」

女がまだ職業を持てない時代、アルバートは男といつわってほそぼそと執事の仕事をしていた。
女同士でも結婚できる例を知った。
でも14歳から社会の隅で、隠れるように暮らしてきたアルの女性観や世間知は、まったくウブ。
とんでもないアバズレがいい子だと思ってしまう。
男は女をたきつけジジイ(アルのこと)から金をまきあげ高飛びしようともちかける。
真面目なアルは同僚たちから好かれていた。
アルの純情ぶりにみかねた奉公人たちがいうのが上のセリフ。
でも恋につける薬はなし。
それが悲劇の入り口でした。

(「アルバート氏の人生」)