ブエノスアイレス20160203

 

「悲しかった、いるはずの彼がいない」

この映画の本当の主人公は、ブエノスアイレスという南米最大の都市とイグアスの滝。
香港を遠く離れ、アルゼンチンを旅する青年のひとりはゲイの恋人と別れ、ひとりはやくざな道にドロップアウト、ひとりは南米最南端の目的地にたどりつく。
暗い汚い狭い部屋で、男二人がタンゴを踊るシーンはやるせなく胸に迫る。
すべてを地の底に吸い込むような巨大瀑布はいっしょにみるはずだった。
「悲しかった。いるはずの彼がいない」はつらすぎる。

(「ブエノスアイレス」)